コラム

テロメアを長くする行動について

DNA strand assembling from different elements

活性酸素や炎症を減少させる健康的な行動は、テロメアに効果をもたらす可能性があります。健康的な行動を数ヶ月続けるとテロメアに良い変化をもたらします。

多くの研究で、健康的なライフスタイルと長いテロメアの相関関係がみられました。バランスの良い食事、ストレスの少ない生活、質のよい睡眠、運動をすることによってテロメアの長さは改善できると考えられています。

そして臨床研究において、健康的な生活を送る人と不健康的な生活を送る人のストレスに対するテロメアの反応が検証されました。

健康グループでは、運動や抗炎症効果のある生活習慣によってテロメアが守られていました。
社会的環境もテロメアに大きな影響をもたらすと考えられます。高い社会的支援と長い結婚生活は、より良いテロメアとつながりをもっていることが示唆されました。

また、マインドフルネスや瞑想のような活動も、より長いテロメアと相関しています。子どもの教育においても、子どもにストレスがかからない教育のほうがよりテロメアの長さに有利だと考えられます。

電子機器なしの大自然のなかの静養先で瞑想することによって、心身ともにリフレッシュするとストレスが減少し、うつ病になりにくくなる研究もあります。
4週間の静養後にテロメアの長さが有意に増加したと報告した研究もあります。

わずか数週間の静養で良質な睡眠と食事をとることによってテロメアが増加するのは驚くべき発見ですが、その効果がどのくらい継続するのかは現時点ではまだ分かっていません。

 

青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範

参考文献:

ストレスと老化 テロメアが教えてくれること
Author:エリッサ・エペル (カリフォルニア大学サンフランシスコ校 精神医学科)
Source: アンチ・エイジング医学 (1880-1579)17巻5号 Page440-443(2021.10)

プロフィール

松澤 宗範
松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。

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