コラム

老化細胞を除去するために必要な成長ホルモン

nerve cell in a blue background, 3D illustration

細胞は常に劣化していて、老化した細胞は常に排除されていますが、どうやって排除されているのでしょうか?

細胞には「主要組織適合性複合体(MHC : Major HistocompatibilityComplex)」という分子が細胞表面に突出しており、免疫系のしくみで細胞の種類を区別しています。そして、劣化した細胞が現れると、それを検知した免疫細胞が老化した細胞を除去するように働きます。

MHCは、細胞内部でタンパク質によって組みたてられます。つまり細胞がMHCの製造をおろそかにすると、細胞の目印を把握することが困難になってしまいます。そして免疫細胞が細胞した老化を見分けられなくなると、老化した細胞の排除できなくなり、長く体内に残存することになります。

こうしたMHC分子には、二つの異なるタイプが存在します。

その一つが、あらゆる細胞の表面に現れる「MHCクラスI分子」です。細胞内部の状態を見せるように、情報を外に向けて提示します。
具体的にはMHC分子の先端に老化変性した細胞内部の小さなタンパク質の断片を乗せたまま、細胞表面に提示します。こうしたタンパク質の構造物を「MHCクラスIペプチド複合体分子」といいます。そして、この分子を免疫細胞が検知すると老化細胞だと判断し、細胞破壊に取りかかります。

もう一つがMHCクラスⅡ分子です。MHCクラスⅡ分子は樹状細胞や単球といった免疫細胞だけに登場し、体液中の異常を提示します。もし体液中に老化細胞由来のタンパク質などを発見すると、免疫細胞が即座に飲みこみ、その内部でMHCクラスⅡ分子と体液中に流れでたペプチドの一部を複合体の形として、ふたたび細胞の表面に提示します。これが「MHCクラスⅡペプチド複合体分子」です。

こうして提示された複合体が、次々とその周囲に集まった免疫細胞に老化細胞の情報を伝達していきます。

しかし、加齢によって成長ホルモン分泌が減少すると、本来は細胞表面に提示されるべきMHC分子の合成もままならなくなってしまいます。その結果、からだの中に生じた老化細胞を見失い排除ができないことになります。

つまり、老化細胞を発見する手がかりとなるMHC分子を細胞表面に提示するためにも、充分な成長ホルモン分泌が不可欠なのです。

 

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

 

 

参考文献:
・『若化!医師が見つけた若返る3つの魔法』著者 宇野克明

プロフィール

松澤 宗範
松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。

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