コラム

老化と男性不妊症の関係

Couple on a medical visit.

男性不妊症の原因には、勃起障害・射精障害・性交障害などの性機能障害、精管の通過障害などの精路の異常、乏精子症・精子無力症・奇形精子症などの精子形成障害があります。

その多数を占める精子形成障害は、原因不明のことが多いです。

また、加齢が精巣に影響を与えます。

精巣の体積は75歳を超えると、18~40歳の男性と比較して約31%程度小さくなります。

年齢に伴い精細管が減少し、胚細胞とセルトリ細胞、ライディッヒ細胞も減少します。

精液量、総精子数、運動精子数、正常形態精子率などは35歳くらいを減少します。

精子のDNA損傷は、DNA 断片化率(DNA fragmentationindex;DFI)として測定することができます。

その要因としては、喫煙、酸化ストレス、精索静脈瘤などが考えられていますが、DFIが加齢によって上昇することもあげられます。

また不妊男性では挙児のある男性と比較してDFIが高く、DFIが30%未満の集団とDFIが30%以上の集団を比較した研究では、30%未満の集団で約7倍自然妊娠しやすいとデータがでています。

さらに、精子のDNAメチレーションと不妊治療との結果が関連することも報告されています。精子のDNA損傷のメカニズムとしては、加齢や環境因子による酸化ストレスの増加が影響していると考えられます。

DNAの酸化ストレスのマーカーである8-OHdG(8-hydroxy-2′-deoxyguanosine) は加齢によって増加し、テストステロン値と負の相関を示しています。

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

 

参考文献:

1) Srinivas-Shankar U. Wu F. Frailty and muscle.function role for testosterone? Front Horm Res. 2009:37:133-49.
2) Tsujimura A. Miyagawa Y. Takezawa K. et al Is low testosterone concentration a risk factor for metabolic syndrome in healthy middle aged men? Urology. 2013: 82: 814-9.
3)精巣のアンチエイジング  井手 久満(獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科 / 低侵襲治療センター)アンチ・エイジング医学 日本抗加齢医学会 Vol.17 No.6

プロフィール

松澤 宗範
松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。

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