コラム

老化と男性ホルモンの関係

3d illustration. Model of serotonin molecule, Hormone of Happiness

テストステロンは、骨や筋肉、精巣、陰茎の発達や陰毛の発現のみならず、社会性、気分、認知機能など、精神活動への影響を及ぼします。

テストステロンは20歳頃まで上昇を続けますが 以後緩やかに減少します。

加齢に伴いテストステロンを産生するライディッヒ細胞が減少し、ライディッヒ細胞の反応性の低下、また性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌量などが減少することで、テストステロンは低下していきます。
疾患への関連として、テストステロンの低下は筋力の低下、肥満、糖尿病、うつ、意欲低下、 性欲低下など、さまざまな健康障害を引き起こす。

テストステロンは1年間で約1~3%低下し、副腎由来のデヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandrosterone;DHEA)は4%ほどまで低下します。

テストステロンは内臓脂肪を減らし、筋肉量と強度を保つのに必要で、筋細胞におけるIGF-1の産生を促し、ミオスタチン(筋肉増殖の負の制御因子)の産生を抑制します。
さらに、筋肉内の多能性幹細胞を刺激し、筋芽細胞から成熟筋細胞への増殖を促進、 脂肪細胞への分化を抑制します。

また、テストステロン値が低下するとインスリン感受性が低くなり、メタボリックシンドロームの誘因となります。

テストステロンの低下した高齢男性においては死亡率とより強い相関がみられています。

加齢男性でのテストステロン減少が抑うつ状態、性機能低下、認知機能の低下、心血管疾患、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化、high-density lipoprotein cholesterol (HDL)の低下、総コレステロール値とlow-density lipoprotein cholesterol (LDL)の上昇に関連し、心血管系疾患尿病などの危険因子になります。

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

参考文献:
1) Walther A. Phillip M. Lozza N, et al. The rate of change in declining steroid hormones: a new parameter of healthy aging in men? On cotarget. 20167: 60844-57.
2) Yeap BB, Manning L. Chubb SAP, et al. Progressive impairment of testicular endocrine function in ageing men: Testosterone anddihydrotestosterone decrease, and luteinizing hormone increases, in men transitioning from the 8th to 9th decades of life. Clin Endocrinol (Oxf) 2018888896
3)精巣のアンチエイジング
井手 久満(獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科 / 低侵襲治療センター)アンチ・エイジング医学 日本抗加齢医学会 Vol.17 No.6

プロフィール

松澤 宗範
松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。