コラム

心臓老化とは

Senior woman having a heart problem

老化に伴い心臓にさまざまな変化が生じます。

心臓MRIによる検査を3,015名に10年間の観察期間で行った研究においては、加齢により心臓重量/容量比は増加しますが、主に容量の減少によるものであり、重量は男性では軽度増加、女性はほぼ不変でした。

この研究によって高齢者の心重量の増加の原因が心筋細胞肥大によるものという過去の常識が間違いであったことがわかりました。

超高齢社会では今後高齢者の心不全が著増すると推測されています。そして、高齢者の心不全の半数以上はHFpEF (heart failure with preserved ejection fraction) であり、心臓老化が重要な役割を担っています。

心臓は、心筋細胞と非心筋細胞に分類される血管内皮細胞や血管平滑筋細胞、また線維芽細胞や免疫細胞から構成されています。

心臓の老化は心筋細胞の細胞老化による影響が大きいですが、非心筋細胞の細胞老化もSASP (senescence-associated secretary phenotype)を介して心筋細胞に大きな影響を与えています。

さらに神経体液性因子を介して、他臓器の老化も心臓老化に影響を及ぼします。

心臓は絶え間ないポンプ活動が主な機能であるため、興奮収縮連関にかかわるミトコンドリア機能やタンパク質恒常性維持機能の老化が心臓老化において大きな役割をもちます。

 

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

 

参考文献:
1) Lakatta EG. Arterial and cardiac aging: major shareholders in cardiovascular disease enter-prises PartⅢI: cellular and molecular clues to heart and arterial aging. Circulation. 2003:107: 490-7.
2) Lakatta EG. Levy D. Arterial and cardiac aging: major shareholders in cardiovascular disease enterprises: Part II: the aging heart in health links to heart disease. Circulation. 2003: 107: 346-51
3)心臓老化とアンチエイジング医学Cardiac aging and anti-aging medicine
新村 健Ken Shinmura兵庫医科大学総合診療内科  アンチエイジング医学―日本抗加齢医学会Vol.18No.3

プロフィール

松澤 宗範
松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。