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upset senior woman with cancer sitting on bed in hospital

時間帯ががん治療の効果を左右する可能性

最近のスイスの研究所の論文によると、身体のさまざまなプロセスは24時間のサーカディアンリズムによって制御されていますが、がん治療においても「時間帯」が非常に重要な要素である可能性が示唆されています。

この研究では、これまでに発表されたさまざまなデータを分析し、「時間帯」と「がん」の関係性を調べました。研究者たちは、がん細胞が異なる時間帯にタンパク質を生成することでがんの発生、進行、転移を制御し、さらに時間帯ががんの診断(生検やCTC検査)の正確性や治療結果にも影響を与える可能性があると述べています。

例えば、乳がんは夜に転移する傾向があり、一方、前立腺がんは日中に転移する傾向があると報告されています。また、治療においては、午後4時30分より前に免疫療法薬を服用したメラノーマの患者は、それ以降に服用した患者に比べてほぼ2倍の生存率を示したと報告されています。

さらに、がん細胞特有のCYP1B1酵素をターゲットにした治療では、CYP1B1が活性化される午前中から夕方に投与することが必要です。
時間とがんの関係性についてはまだ多くの不明な点がありますが、点滴療法や栄養療法を含むがん治療においても、今後の検討事項の一つとなる可能性があります。

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

【参考文献】
Diamantopoulou Z. et al. A new time dimension in the fight against metastasis. Trends in Cell Biology, 2023

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