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老化と腸内細菌の関係

加齢に伴う腸内細菌叢の変化としては、細菌の多様性の低下、糖質分解菌の減少とタンパク質分解菌の増加、Proteobacteria、Bifidobacteriaの減少、FirmicutesとBacteroidesの比率の低下などがあげられます。

老年における腸内細菌の多様性の低下は、認知機能の低下や、代謝性疾患や炎症性疾患と相関します。

腸内細菌の顕著な変化は、食生活、薬物の使用、身体活動、社会環境などに影響され、特に成人期から老年期への移行期に起こるとされます。

乳児の場合、Bifidobacteriaの数は 出生後全大腸菌叢の90%を占めていますが、成人の大腸では5%以下にまで減少し、炎症性腸疾患、抗生物質関連下痢、過敏性腸症候群、アレルギー、肥満、自閉症などの疾患をもつ患者ではこれらの数はさらに少なくなります。

また、腸内細菌の変化は、慢性炎症、神経変性、認知機能低下、糖尿病、非アルコール性脂肪肝、大腸癌、心血管疾患、などの疾患の病態において重要な因子となりうることが示されています。

ショウジョウバエを用いた研究では、腸内細菌の異常は、腸管バリアの機能低下、全身の免疫活性化および寿命を短縮することが報告されています。

ショウジョウバエにおけるstomach-like copper cell region (CCR)は、消化管における微生物の分布と構成を制御していますが、CCRにおけるJAK / Statシグナルを阻害することで、加齢に伴う変成や腸管の機能低下を防ぎ寿命を伸ばすことができます。

また、早老症モデルマウスに若い野生型マウスの糞便を移植したところ、早老症モデルマウスの寿命が延長し、逆に老年の野生型マウスの糞便を移植したところ寿命が短縮しました。これには腸管内の胆汁酸濃度が関与している可能性があります。

二次胆汁酸は宿主の代謝や抗炎症シグナルの誘導に関与しており、Akkermansia muciniphilaが腸管における二次胆汁酸の生成に重要であることがわかっています。
早老症モデルマウスでは、腸管内の二次胆汁酸が野生型マウスと比較して減少しており、野生型マウスの糞便を移植することで糞便中の二次胆汁酸は増加します。

Akkermansia muciniphilaは、宿主の代謝に影響を与える以外にも免疫の機能を調整することにも関与しています。
老化したマウスの腸内細菌を若い無菌マウスに移植すると、腸管の炎症、全身の慢性炎症が誘導され、さらにマクロファージの機能障害を誘導し、殺菌能力が低下することが明らかになっています。

このように、動物実験モデルでは、腸内細菌叢の異常を改善することが免疫系の機能を向上させ、老化やそれに伴う疾患の予防に有効であることが示されています。

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

 

参考文献:
1) Arboleya S. Ang L. Margolles A. et al Deep 16S rRNA metagenomics and quantitative PCR analyses of the premature infant fecal microbiota. Anaerobe. 2012: 18: 378-80.
2)【炎症と老化】腸内環境と炎症・老化
内山 和彦(京都府立医科大学 消化器内科学教室), 高木 智久, 内藤 裕二
アンチ・エイジング医学(1880-1579)18巻2号 Page102-108(2022.04)

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