テロメアとは、染色体の端にあるDNAタンパク質構造のことで、染色体の中にある重要な遺伝子情報を守っています。
細胞の老化を決める重要な構造体であることから、加齢による疾患にも関連しています。
DNAの反復配列とテロメアを保護しているシェルテリン多成分タンパク質との複合体であるテロメアは、分裂細胞と非分裂細胞において、酸化ストレスにより短縮します。
しかしテロメアの短縮はテロメラーゼによって打ち消すことができます。
テロメアを保護しているシェルテリン複合体は、DNAの損傷を防いでいます。
テロメアは著しく短くなると、シェルテリン複合体を結合することができず、保護されなくなるため、細胞分裂が停止します。
テロメラーゼが豊富にある場合はテロメアの短縮が起きても再構築されますが、テロメラーゼが少ない場合は、テロメアが短くなり細胞に老化が起こります。
そして老化した細胞は炎症を起こし、身体全体の老化に繋がっていきます。
青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範
参考文献:
ストレスと老化 テロメアが教えてくれること
Author:エリッサ・エペル (カリフォルニア大学サンフランシスコ校 精神医学科)
Source: アンチ・エイジング医学 (1880-1579)17巻5号 Page440-443(2021.10)
プロフィール

- 松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
- 近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。
新着記事
NEWS2023.01.14血中マイクロRNAによって13種のがんを高精度に区別することが可能に
NEWS2023.01.10日本テレビの『カズレーザーと学ぶ。』でエクソソーム治療が取り上げられました。(第3回)
がん治療2022.12.11腸内細菌と免疫療法との関連
コラム2022.12.05腸管粘膜リンパ組織における樹状細胞