テロメアは各疾患の早期予測マーカーでもあります。テロメアの長さが早期心臓病、糖尿病、認知症や癌の予測マーカーとして有効であることがわかってきました。
短いテロメアが心臓病、大動脈瘤、甲状腺機能低下症、肺繊維症、アルツハイマー病や自己免疫疾患につながることが報告されています。血液細胞におけるテロメアは短いほうが慢性疾患にかかりやすい傾向にあります。
反対にテロメアが長いと、癌や、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、前立腺肥大症のリスクが上がると報告されています。
また、慢性ストレスは短いテロメアにつながることが判明しています。
ストレスは糖質コルチコイドの分泌を誘発し、ミトコンドリア活性の増加を通じて活性酸素の生成をもたらします。
活性酸素はテロメアに損傷を与え、テロメラーゼ活性を阻害し、テロメアの短縮と機能不全を引き起こします。
特に幼児期でのストレスがテロメアの長さを左右する一因と考えられています。
青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範
参考文献:
ストレスと老化 テロメアが教えてくれること(解説)
Author:エリッサ・エペル (カリフォルニア大学サンフランシスコ校 精神医学科)
Source: アンチ・エイジング医学 (1880-1579)17巻5号 Page440-443(2021.10)