テロメアとは、染色体の端にあるDNAタンパク質構造のことで、染色体の中にある重要な遺伝子情報を守っています。
細胞の老化を決める重要な構造体であることから、加齢による疾患にも関連しています。
DNAの反復配列とテロメアを保護しているシェルテリン多成分タンパク質との複合体であるテロメアは、分裂細胞と非分裂細胞において、酸化ストレスにより短縮します。
しかしテロメアの短縮はテロメラーゼによって打ち消すことができます。
テロメアを保護しているシェルテリン複合体は、DNAの損傷を防いでいます。
テロメアは著しく短くなると、シェルテリン複合体を結合することができず、保護されなくなるため、細胞分裂が停止します。
テロメラーゼが豊富にある場合はテロメアの短縮が起きても再構築されますが、テロメラーゼが少ない場合は、テロメアが短くなり細胞に老化が起こります。
そして老化した細胞は炎症を起こし、身体全体の老化に繋がっていきます。
青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範
参考文献:
ストレスと老化 テロメアが教えてくれること
Author:エリッサ・エペル (カリフォルニア大学サンフランシスコ校 精神医学科)
Source: アンチ・エイジング医学 (1880-1579)17巻5号 Page440-443(2021.10)