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african american doctor holding tray with medical tools for surgery

再生医療『世界初の自家腸上皮オルガノイド移植症例』

難治性潰瘍を伴う潰瘍性大腸炎の患者に対し、自家腸上皮オルガノイドの移植を行う再生医療が東京医科歯科大学で実施されました。

潰瘍性大腸炎は慢性の炎症が腸に起こる難病です。難治性の潰瘍のため粘膜が治癒せず、組織の再生を促す治療は全く存在しませんでした。

そこで東京医科歯科大学の研究グループでは腸上皮幹細胞を含むオルガノイドを潰瘍性大腸炎の患者さん自身から採取し、大量のオルガノイドに増やして移植する技術が開発されました。

オルガノイドは小さな臓器のような構造と機能を備えた細胞の集合体です。

腸上皮オルガノイドは腸上皮幹細胞を含み、適切な環境と操作の下で大量・長期に増やすことが可能です。

そして培養された腸上皮オルガノイドを内視鏡を用いて病変へ移植され、現在移植後の経過観察を行い、安全性や効果が検証されているところです。

この研究は新しい技術により培養したオルガノイドを移植治療に用いた世界初の症例です。今後さまざまな臓器においてオルガノイド医療の実用化が期待されます。

これからも移植が計画されており、これにより潰瘍性大腸炎に対する自家腸上皮オルガノイド移植の安全性及び効果が明らかになることが期待されます。

また、クローン病等の他の消化管難病に対するオルガノイド医療の開発が進むことも期待されます。

 

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

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