コラム

関節炎に対する間葉系幹細胞の作用

arthrosis lesion

変形性膝関節症は閉経後の高年齢者に多く見られ、膝関節軟骨がすり減り痛みを伴う事が多いです。

この関節軟骨のすり減りは関節への過度な負担や酸化ストレスおよび炎症が原因です。

変形性膝関節症には消炎鎮痛剤などを用いた薬物治療、膝関節の筋肉増強などがありますが膝関節痛の抜本的な治療方法ではありません。

変形性膝関節症の症状がひどく、歩行困難な患者は、人工膝関節の手術により歩行可能となりますが、健常者のような歩行に戻る事は少ないです。

間葉系幹細胞を変形性膝関節症患者の関節部へ投与することにより、関節の軟骨細胞や滑膜細胞によって分泌される炎症因子を低下させます。

また、間葉系幹細胞は炎症性サイトカインIL-1βを抑制、酸化ストレスの減少、軟骨細胞の増殖、関節痛の消炎効果が報告されています。

また、間葉系幹細胞の培養上清液を関節部に投与しても間葉系幹細胞投与と同様な効果、IL-1β、酸化ストレスの減少、軟骨細胞の増殖および関節痛の消炎効果が報告されています。

関節炎動物モデルを用いて、間葉系幹細胞を関節内に注入すると中枢性感作を抑制し、抗炎症作用および軟骨組織の防御因子TSG-6が発現したとの報告があります。

 

青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範

 

参考文献:
1) Goldring MB, Birkhead J, Sandell LJ, et al. Interleukin1 suppresser expression of cartilagespecific types II and IX collagens and increased type I and III collagens in human chondrocytes. J Clin Invest. 1988; 82: 2026-2037.
2) Tetlow LC, Adlam DJ, Woolley DE, et al. Matrix metalloproteinase and proinflammatory cytokine production by chondrocytes of human osteoarthritic cartilage: associations with degenerative changes. ArthritisRheum. 2001; 44: 585-594.
3) Ichiseki T, Shimasaki M, Ueda Y, et al. Intraarticular injected mesenchymal stem cells stimulate anti-inflammatory molecules and inhibit pain related protein and chondrolytic enzymes in a monoiodoacetate-induced rat arthritis model. Int J Mol Sci. 2018; 19: 203.
4)国際抗老化再生医療学会雑誌 第1号(1-20)2018 間葉系幹細胞による治療と抗老化 佐藤茂 劉效蘭

 

・院長プロフィール
総合内科、形成外科、美容皮膚科、美容外科。
がん診療に関しては10代の頃に母親を末期癌で亡くした経験と形成外科で癌術後の再建で患者様と日々関わることで、早期発見、予防医療の重要性を痛感し、がん検査や治療も行っている。
疾患の種類を問わず、アンチエイジングまで幅広い患者様に対応し、体の内側・外側ともに健康に綺麗にをモットーにしている。

プロフィール

松澤 宗範
松澤 宗範青山メディカルクリニック 院長
近畿大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科入局し、佐野厚生総合病院形成外科へ。その後、横浜市立市民病院形成外科として務める。埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科を経て、銀座美容外科クリニック新宿院院長として従事する。その後、青山メディカルクリニック開設し、今に至る。