ケミカルピーリングは、皮膚のターンオーバーを促進し、座瘡、色素異常症、光老化の治療に効果的です。そして、くすみや質感などが良くなり、目立つ毛穴も改善させることができます。
面皰では、皮脂や角栓が酸化により黒ずみ、炎症反応によりメラニン生成が亢進します。紫外線による光老化皮膚では、真皮のコラーゲンが減少し、弾性線維の変性、真皮グリコサミノグリカンおよびプロテオグリカンの変化、そして毛細血管拡張が生じます。
そしてシワに加え、皮膚の弾力性がなくなる結果、毛穴の開大し毛穴が目立つようになります。
ケミカルピーリングによる面胞および光老化の改善作用についてご説明します。
剥離深達レベル1(最浅層ピーリング、角層まで剥離)
および
剥離深達レベル2(浅層ピーリング、表皮顆粒層から基底層の間を剥離)
のケミカルピーリングにて角栓が除去できます。
剥離深達レベル1、2のケミカルピーリングによく用いられる薬剤としては、
20~35% グリコール酸、乳酸
20~35% サリチル酸
10~20% トリクロロ酢酸(TCA)
が挙げられます。
グリコール酸を皮膚に塗布すると角層、表皮角化細胞、メラノサイト、真皮線維芽細胞に働き、皮膚のリモデリングが起こります。
さらにサイトカインの放出などがあり炎症反応が起こりますが、光老化の進んだ皮膚では炎症が起きにくいです。
したがって若年者では低濃度で塗布時間を短く、高齢者では高濃度で塗布時間を長くすることにより治療効果が得られます。
ただし、高齢者でも初回から高濃度のグリコール酸を用いるのではなく、最初は低濃度から始めて、2回目以降から濃度を上げてピーリング効果を得るように施術したほうが安全です。
また、座瘡の患者ではグリコール酸を塗布すると、塗布中に排膿がみられ、早期に角栓の除去効果がみられます。さらに、メラニン生成の抑制効果もあるので炎症後色素沈着の改善が得られ、黒ずんでいるためにさらに目立っていた毛穴が目立ちにくくなります。
グリコール酸は角質層の乱れや膠原線維や弾力線維の減少に伴う小ジワに対して効果的で、真皮の光老化皮膚も改善することで、たるみに伴う毛穴の開大を改善させることができます。
サリチル酸ピーリングによる作用もグリコール酸と同様に、角層の剥離とメラニン除去、そして光老化による真皮組織の改善がみられるので、微小面皰および光老化に伴う目立つ毛穴を改善させることができます。
青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範
参考文献
・Funasaka Y, Sato H, Usuki A, et al: The efficacy of glycolic acid for treating wrinkles: Analysis using newly developed facial imaging systems equipped with fluorescent illumination. J Dermatol Sci, Suppl 1: 53-59, 2001.
・船坂陽子:グリコール酸、古川福実・船坂陽子・上田説子(編):ケミカルピーリングこれが私のコツと技南山堂,pp9-15,2009.
・船坂陽子:ケミカルピーリングによる rejuvenation. 日皮会誌,121 (13):2828-2831, 2011.
・美容皮膚科学 BEAUTY #33
・院長プロフィール
総合内科、形成外科、美容皮膚科、美容外科。
がん診療に関しては10代の頃に母親を末期癌で亡くした経験と形成外科で癌術後の再建で患者様と日々関わることで、早期発見、予防医療の重要性を痛感し、がん検査や治療も行っている。
疾患の種類を問わず、アンチエイジングまで幅広い患者様に対応し、体の内側・外側ともに健康に綺麗にをモットーにしている。
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