がん治療エクソソーム

Open blood test tubes in laboratory.

膵癌におけるエクソソームを用いた診断・治療への応用

血液、尿、唾液などを用い、疾患の診断を補助するリキッドバイオプシーが注目を集めています。その一つとして、エクソソームがあげられます。

エクソソームは体液中を循環し、mRNAやタンパク質などの他、microRNA や long non-coding RNA などの機能性 RNA を内包し運搬します。

エクソソーム内の情報が細胞に届くと細胞シグナルや表現型が変化し、疾患の病態成立に影響を与えます。

今エクソソームが膵癌を含めた疾患の診断マーカーとして期待されています。

エクソソームを介したリキッドバイオプシーの有用性についての検証と治療応用への試みは、最難治癌である膵癌の新規診断・治療法開発へつながる可能性があります。

リキッドバイオプシーの主な標的として、

・血中遊離 DNA(cell-free DNA:cfDNA)
・血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cell : CTC)
・血中遊離RNA(cell-free RNA:cfRNA)
・エクソソームを含めた細胞外小胞

などがあげられます。

 

青山メディカルクリニック

院長 松澤宗範

参考文献:胆と膵 (0388-9408)42巻8号 Page717-724(2021.08)

関連コラム