細胞老化には正の側面と負の側面があります。
たとえば、テロメア非依存性細胞老化が発癌抑制機構の側面を併せ持っています。
一方で、細胞老化の負の側面として、老化細胞が転写因子NF-κBを活性化し、慢性炎症の原因となることが確認されました。
慢性炎症は、多くの加齢性疾患の悪化因子です。老化細胞では、抗アポトーシス能の獲得に重要な転写因子NF-κB が活性化した結果、死なずに老化したまま生存します。
NF-κB は炎症制御の鍵因子で、老化細胞で炎症が活性化する原因となり、老化細胞は炎症性サイトカインを分泌しやすくなります。(senescence associatedsecretary phenotype:SASP, 老化関連分泌因子)
老化細胞由来のSASP は、細胞の老化を促進し、慢性炎症を通じて個体老化を誘導する一因となります。
老化制御 ⑤細胞老化の正と負の側面について
細胞老化には正の側面と負の側面があります。
たとえば、テロメア非依存性細胞老化が発癌抑制機構の側面を併せ持っています。
一方で、細胞老化の負の側面として、老化細胞が転写因子NF-κBを活性化し、慢性炎症の原因となることが確認されました。
慢性炎症は、多くの加齢性疾患の悪化因子です。老化細胞では、抗アポトーシス能の獲得に重要な転写因子NF-κB が活性化した結果、死なずに老化したまま生存します。
NF-κB は炎症制御の鍵因子で、老化細胞で炎症が活性化する原因となり、老化細胞は炎症性サイトカインを分泌しやすくなります。(senescence associatedsecretary phenotype:SASP, 老化関連分泌因子)
老化細胞由来のSASP は、細胞の老化を促進し、慢性炎症を通じて個体老化を誘導する一因となります。
青山メディカルクリニック院長 松澤宗範
参考文献:医学のあゆみVol.279 No.52021.10.30
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