最新技術でがんが尿の採取で検出できます。2022年2月にCraif株式会社から一般向けがんリスクスクリーニング検査サービス「miSignal(マイシグナル)」の提供が始まっています。
Craifががんを検出するにあたりバイオマーカーとしているのは、尿中のマイクロRNAです。マイクロRNAは20塩基程度の短い核酸の鎖で、エクソソームに含まれています。エクソソームを使って細胞は細胞同士で会話をしていることが判明し、がん細胞も特有のエクソソームを分泌していることがわかっています。
このがん細胞が分泌しているエクソソームのマイクロRNAを解析することでがんの有無を判別する技術の開発が進んでいます。
尿からがんを検知するのに使う技術は大きく分けて2つあります。効率よくエクソソームを回収するナノワイヤデバイスと、がん患者や健常者のマイクロRNAのパターンを学習させたAI(人工知能)です。
1回の分析は0.3ミリリットル程度の尿で十分で、回収したエクソソームに含まれるマイクロRNAの種類や発現量を調べた後に、AIでそのパターンを分析することで、がんの種類や有無を判別します。
「miSignal(マイシグナル)」は現在卵巣がんのみが対象ですが、今後は肺がん、胃がんのほか、早期発見が難しいがんにも対象が広がっていく可能性があります。
青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範