2023年1月に発表された研究では、食事とがんの関係について分析されました。
この研究では、健康的な食事と不健康な食事を与えられたマウスの代謝を調べました。
不健康な食事を摂ったマウスでは、がん組織と健康な組織の両方で特定の代謝の変化が見られ、グリセロールやコハク酸の産生が促進されました。
さらに、不健康な食事を摂った場合、がん細胞と正常細胞の代謝の差が最も大きくなることがわかりました。これは、がん細胞が不健康な栄養素を利用して生存・成長を促進している可能性を示唆しています。
この研究は初期段階ではありますが、研究者たちは将来的には、代謝物の交換メカニズムや腸内細菌の影響などを組み込んだより高度な代謝モデルを作成する予定です。
青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範
【参考文献】
Clasen F., et al. Systematic diet composition swap in a mouse genome-scale metabolic model reveals determinants of obesogenic diet metabolism in liver cancer. iScience, 2023