正しい保湿でトラブルに負けない肌土台をつくる
日焼け止め化粧品を使うときのポイントは、ムラなく塗って、肌にすきを作らないことです。塗る量が少ないと、顔全体に均一に濡れないうえ、ガードが甘くなります。このことから、使用量をきちんと守ることが大切といえるでしょう。
効果的な日焼け止め化粧品の使い方
1.適量の日焼け止め化粧品を手のひらにとる
日焼け止め化粧品を適量、手のひらにとります。量を守らないとUVカット効果が低くなる可能性があります。
2.顔全体に塗ったあと頬骨あたりに重ねづけ
中指や薬指を使って、顔全体に丁寧にのばします。続いて、日焼けしやすく、シミができやすい頬骨あたりに重ねづけをします。
3.ファンデーションを重ねる
より確実に紫外線をカットするために、パウダーファンデーションを重ねます。通勤などで外を歩く時間が2時間以内なら、ファンデーションだけでも充分です。
★日常生活レベルの日焼け止め化粧品の目安
<SPF20 PA++>
SPF20は赤くなってヒリヒリするまでの時間を20倍にのばすもの。シミやシワができるまでの時間を20倍にのばすという意味ではない。また赤くなってヒリヒリするほどの日焼けをしていなくても、シミはできてしまう。つまり、SPF20=300分(5時間)というのはあくまでも目安といえます。
※メイクが少しでも崩れてきたと思ったら、こまめに塗りなおしましょう。
紫外線の種類について
・紫外線A波(UV-A)
波長の長い紫外線A波は、地上の紫外線の約9割を占めており、真皮中層にまで到達します。買い物や洗濯干しなどの日常生活の知らず知らずのうちに、また、ガラス越しに長期間浴び続けることで、メラノサイトを活発にし、サンタン(皮膚の黒化)を起こしたり、肌の弾力を保つ、エラスチン繊維やコラーゲン繊維を変性させ、シワやたるみの原因となります。
・紫外線B波(UV-B)
エネルギーが強く、空気中の水分で吸収されますが、散乱性が高いため、あらゆる方向から肌に届きます。おもに表皮にダメージを与え、直接的に細胞の遺伝子を傷つける作用があります。いわゆる日焼けを起こし、シミやソバカスの原因となります。また、角化のリズムを乱して、肌がごわつき、角層中の水分が減少して、肌あれ状態にもなります。
おもな紫外線カット剤
・紫外線吸収剤(化学反応でブロック)
ケイヒ酸系、ベンゾフェノン系、トリアジン系などの化学物質が紫外線のエネルギーを取り込み、熱などの別のエネルギーに変換する働きがあります。肌に塗ったときに白浮きせずきしみ感もないので、デイリーユースには最適です。たくさんのデータに基づいて安全性を確認していますが、まれにアレルギー反応を起こす人もいます。
※紫外線吸収剤が入っていないものを「ノンケミカル」といいます。
・紫外線散乱剤(反射でブロック)
微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛が、物理的に紫外線をはね返す働きがあります。UV-A~Bまで幅広く散乱できて、かぶれるなどの症状が起こりにくいので肌が弱い人にはおすすめです。肌に塗ったときに白くなるのはこの成分のためで、現在では細かい粉体もあり、白くなりにくくなりました。しかし、きしみ感が出やすい、酸化チタンの表面の活性効果が抑えきれないなどの問題もあります。
サンケア指数について
UVケア化粧品には、肌への影響のある紫外線(UV-A、UV-B)を防ぐ効果を分かりやすく示した「サンケア指数(SPF、PA)」があります。
・SPF(Sun Protection Factor)
UV-Bの防止効果を表す数値です。赤くなってヒリヒリする日焼け(サンバーン)を起こすまでの時間を何倍にのばせるかの目安です。
・PA(Protection Grade of UV-A)
UVAPF(UV-A Protection Factor of a Product)の値を目安に、+の数でUV-A防止効果を表したものです。UV-A照射語、2~24時間に生じる皮膚の即時黒化を指標にしたものです。
まとめ
同じ環境下でも、紫外線に対する反応は、肌のタイプ(赤くなりやすさと黒くなりやすさ)によって異なります。日焼け止めを選ぶときには、使用する場面(アウトドア、日常使い、紫外線の強さ、時間など)や、自分の肌タイプをたしかめ、商品に表示してあるSPF・PA指数を目安に選びましょう。液状や乳液などの場合、1円玉1~2個分を顔全体に使うことが目安です。表示してあるSPF・PAの効果を発揮するためには、少なくとも2~3時間おきを目安に、一日に何度か塗りなおすことが大切といえるでしょう。生活シーンに合わせて日焼け止めを選び、効果的に使いましょう。