皮脂腺は、皮脂だけでなくさまざまなホルモン、増殖因子、サイトカイン、抗菌ペプチドなどを産生し、ビタミンEの主要な分泌経路として働き、水分保持作用、抗菌作用、抗酸化作用や免疫調節作用などの皮膚バリア機能に関与しています。
また、皮脂腺の機能トラブルは、ニキビや乾燥肌の皮膚トラブルの原因に直結しています。さらに、皮脂腺には環境および心理的ストレスの影響を受けやすく、皮膚の恒常性維持に欠かせない存在です。
また、皮脂分泌量の多さが毛穴の大きさと相関することが知られています。
アセチルコリンによる皮脂分泌が毛穴の状態に影響を及ぼすことが報告されており、脂性肌の被験者にアセチルコリンの伝達を阻害するA型ボツリヌストキシンを注射すると、4週間後に生理食塩水を注射した群に比べ皮脂量の減少とともに毛穴の大きさが有意に減少しました。しかし、乾燥・正常肌の被験者における同様の注射では、皮脂量と毛穴の大きさに有意な変化が認められませんでした。
ボツリヌストキシンの作用機序を考慮する必要はありますが、皮脂分泌量の多い脂性肌において毛穴の大きさが改善されたことから、毛穴の目立ちと皮脂分泌量には関連性があると考えられます。
さらに、皮表の過酸化脂質は表皮の角化を促進することからも、過剰の皮脂分泌に連動して過酸化脂質が増加し、その脂質が毛包漏斗部表皮の分化制御を乱すことで、結果として毛穴の目立ちに影響を及ぼすことも考えられます。
青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範
参考文献
・佐藤 隆:脂腺の構造と機能,皮膚科の臨床,62758-764,2020.
・Gong X, Carmon KS, Lin Q. et al: LGR6 is a high affinity receptor of R-spondins and potentially functions as a tumor suppressor. PLoS One. 7:e37137. 2012
・Kretzschmar K, Cottle DL, Schweiger PJ, et al: The androgen receptor antagonizes Wnt/catenin signaling in epidermal stem cells. J Invest Dermatol, 135: 2753-2763, 2015.
・院長プロフィール
総合内科、形成外科、美容皮膚科、美容外科。
がん診療に関しては10代の頃に母親を末期癌で亡くした経験と形成外科で癌術後の再建で患者様と日々関わることで、早期発見、予防医療の重要性を痛感し、がん検査や治療も行っている。
疾患の種類を問わず、アンチエイジングまで幅広い患者様に対応し、体の内側・外側ともに健康に綺麗にをモットーにしている。
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