健常者におけるNMNの単回経口投与(~500mg)の安全性は,本邦の慶雁義塾大学医学部の伊藤らのグループにより最近報告され、それに伴いワシントン大学医学部(ミズーリ州セントルイス)のCenter for Hurnan Nutritionにおいて,プラセボを対照とした二重盲検無作為化比較試験が実施され、10週間のNMN(250 mg/日)投与の代謝的効用が検討されました。
NMNによる糖代謝改善効果がオスに比べて、メスで顕著であっため、閉経後の女性のみを対象とされました。
過体重もしくは肥満で、アメリカ糖尿病学会の境界型糖尿病の診断基準を満たす25名の閉経後女性を、プラセボ群(12名)もしくはNMN投与群 (13名)に無作為に割り当てられました。
投与の前後で
1 二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)およびMRIイメージングを駆使した体組成分析
2 非放射性同位体を用いた正常血糖インスリンクランプ法による臓器特異的(骨格筋、肝臓、脂肪組織)インスリン感受性の評価
3 NMNの作用分子メカニズムを検討するための定常状態およびインスリンクランプ中の大腿四頭筋の経皮的生検を含んだ詳細な包括的代謝表現型解析
が行われました。
参考文献:
Geriatric Medicine (0387-1088)59巻7号 Page693-698(2021.07)
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