シミの原因とは
シミにはたくさんの原因があるといわれますが、その中でも大きな要因のひとつは紫外線です。世にある美白化粧品のほとんどは、肌を直接白くするわけではなく、肌を黒くする原因である「メラニン」を生成する酵素、「チロシナーゼ」を阻害する成分が多いものです。そのため、美白化粧品は一年中使用することが大切だということになります。また、肌のターンオーバーを正常化させるというためにも、メラニンの排出を促すマッサージは効果的です。
シミとよばれるものは、淡褐色、または暗褐色の色素斑です。老人性色素斑、雀卵斑(そばかす)、炎症後色素沈着、肝斑などが含まれます。そのシミのタイプによっては、美白成分が効くものと効かないものがあります。このため、シミのタイプを見極めることこそが、より効果的なケアを行うためのカギとなるといえるでしょう。
ここからは、シミのタイプと特徴、見分け方やお手入れ方法についてご紹介します。
シミのタイプ別・特徴とお手入れ方法
【老人性色素斑(日光性黒子)】
・特徴
シミの中でもっとも多いのがこのタイプです。紫外線の影響や、肌の老化により、メラニンが蓄積することによってできます。部位としては頬骨の高いところにできやすく、数mm~数十mmの丸い色素斑であることが多いです。でき始めは薄い茶色をしているものの、しだいに濃く、はっきりとしてくるのが特徴的。また、何年も経つうち、だんだんと隆起してくることがあり、次に紹介する「脂漏性角化症」になっていくものもある。
・お手入れ方法
紫外線を避け、UVケア製品で紫外線を防ぐこと。ごく初期の薄いものであれば、美白化粧品の有効成分の効果が期待できます。しかし、定着し、濃く、輪郭がはっきりしてきたものはレーザー治療などが必要。
【脂漏性角化症】
・特徴
シミからさらにイボのようになり盛り上がってきたものです。よく見ると、イボの表面はボツボツしているのが特徴。手の甲などにできる茶色いシミもこれに相当するものが多いです。
・お手入れ方法
皮膚の形態そのものが変化してしまっているため、美白化粧品では効果がありません。レーザー治療のほか、液体窒素による凍結療法で消せる場合もあります。
【雀卵斑(そばかす)】
・特徴
直径2~3mmの小さな点状に広がるシミ。一般的にはこのような小さいシミのことをそばかすと呼んでいますが、厳密には、遺伝的な要因によりできたものだけをさします。遺伝的なそばかすは、幼児期から思春期にかけて目立つ傾向にあり、小さく茶色いシミが、鼻を中心として散らばるようにできるのが特徴。よく見てみると、シミの形が丸くはなく、三角や四角の場合が多く、また、薄い茶色(褐色)のものがほとんどです。紫外線の影響で濃くなることもあります。白人に多く見られるが、日本人でも色白の人に比較的多く見られます。
・お手入れ方法
紫外線を避け、UVケア製品で紫外線を防ぐことが重要。遺伝的要素が強いためか、美白化粧品の効果は出にくいといえるでしょう。レーザー治療を取り入れると消えることもあるものの、再発することもあります。
【炎症性色素沈着】
・特徴
ニキビ跡や傷跡などが茶色くシミになって残ったもの。その色は、赤いものから黒いものまでさまざまあります。足や腕にできた虫刺されの跡が、そのままシミのようになって消えないことがありますが、これも同じものであるといえます。そのほか、ムダ毛を毛抜きで抜いていると、毛穴のまわりが炎症を起こし、黒く跡になるのもこのタイプといえるでしょう。
・お手入れ方法
このタイプには美白化粧品が有効です。その際のおすすめ成分はビタミンC誘導体です。また、ピーリングも効果的といえるでしょう。そのままにしておいて消えることもあるものの、消えるまでに2~3年かかることもあり、その間に紫外線を浴びると消えにくくなります。
【肝斑】
・特徴
女性ホルモンのバランスがくずれたとき、頬骨のあたりにモヤっと左右対称にできることが特徴的。色は淡褐色や暗褐色などさまざまなタイプがある。妊娠中や、ピルを服用したとき、また、更年期の人にもよく見られます。
・お手入れ方法
紫外線を避け、UVケア製品で紫外線を防ぐ。内服薬の「トラネキサム酸」が効果が出やすいとされています。また、漢方薬が有効な場合もあり。レーザー治療は不向きで、美白化粧品で薄くなることもあります。洗顔時のこすりすぎで発症、悪化する場合もあるため、洗顔はソフトにする必要があるでしょう。
【花弁状色素斑】
・特徴
海などで急激に日焼けしたあとに、肩から背中にかけてできる小さなシミをさします。よく見ると、丸い形ではなく、花びらのような形をしていることから、このような呼び名となっています。
・お手入れ方法
レーザー治療を行うことが確実。美白化粧品ではほとんど消えることはなく、効果があるとはいえないため、レーザー治療以外の方法で消すことは難しいといえます。
まとめ
もし、「美白化粧品を使っているのに効かない!」と感じていたのなら、まずは自分のシミがどのタイプに該当するのかを、よく見極めることが大切です。そのうえで原因やお手入れ方法を知りましょう。