【医師解説】プラセンタについて ・プラセンタとは

ブログ 松澤宗範医師

プラセンタとは胎盤のことです。胎盤は哺乳類の受精卵から作られた一時的な器官であり、子宮内腔と胎児の臍帯のあいだにできる海綿状の構造物です。

胎盤は胎児に酸素や栄養を供給し老廃物の除去を行い、胎児が健やかに成長するためのさまざまな機能があります。

胎盤は古代ギリシャ時代のヒポクラテスが治療に用いていたり、クレオパトラやマリーアントワネットは美容のため使っていたという逸話があります。中国の秦の始皇帝は長寿薬として胎盤を使用していたようです。

プラセンタには、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの五大栄養素や、さまざまな成長因子が存在します。

厚生労働省から承認されたプラセンタ製剤はラエンネックとメルスモンの2種類です。
メルスモンは乳汁分泌不全と更年期障害に対してのみ保険の適応が認められています。
ラエンネックは慢性肝疾患に対する肝機能の改善を効能効果として保険の適用が認められています。

メルスモンとラエンネックの大きな違いは製造の方法ですが、最終段階で高圧滅菌処理をする点は同じです。ただ、製造工程の違いによりラエンネックにはアミノ酸が含有されています。

美容目的で使用する場合には、どちらを使用したとしても大きな効果の違いはないでしょう。

ラエンネックもメルスモンも特定生物由来製品であり、クロイツフェルト・ヤコブ病の感染リスクをできる限り少なくするため、注射後は献血できないという制約があります。
しかし、国内外においてクロイツフェルト・ヤコブ病などが伝播したという報告はありません。

プラセンタは様々な薬理作用があり、汎用性が高く、安価で副作用の少ない製剤と言えるでしょう。

青山メディカルクリニック  院長 松澤 宗範

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